お店やブランドの“シナリオ”、持っていますか?
VMDコンサルタントの藤井雅範です。
お客様が洋服を買うお店を選ぶ時、いちいちそのお店の形態を気にしてから入るかどうかを判断される、ということはあまり無い。
(形態というのは、アパレルメーカーのブランドショップ、バイイング志向のセレクトショップ、メーカー志向のセレクトショップ、テイスト別品揃え専門店などのこと)
ただなんとなく、気になるお店だったので入ってみた、というの実態であろう。
その「なんとなく」という情緒に、いかに訴えかけられるか?
これが、入店に結びつくキ−ワード。
そのための最終手法として、内装・インテリアやフェイシング(狭い意味でのVMD)がある。
内装・インテリアやVMDは最終手段なのです。
では、それ以前に大切なものとはなんでしょう?
お店やブランドの“シナリオ”、持っていますか?
一番大切なのは、そのお店やブランドの生き方、コンセプト、ブランディングです。
「誰かのため、世の中のために、そのお店やブランドが何を提供できるか?」
ということになります。
これを仮に“シナリオ”と呼びましょう。
この“シナリオ”をしっかり固めて、確立させておくこと。
これが弱いと、いくら内装・インテリアやフェイシングで演出しても伝わらない=売れないんです。
逆にこれがしっかりしていると、伝わりやすい。
全てが“シナリオ”を表現することをベースにプランしてゆけば良いのです。
内装・インテリア、VMDまで一気通貫のものになる、ということ。
「入りやすい店」と「入りたくなる店」は違う
例えばファサードの考え方。
入店客数を上げるアクションひとつにとっても、どんなシナリオのお店にも当てはまる手法はありません。
入りやすい店にすること=心理的、物理的抵抗を無くす、低くすることで、入店客数が上がる場合。
入りたくなる店にすること=期待感、探究心をあおる店にすることで、入店客数が上がる場合。
両方の要素があります。
お客様の「なんとなく」という情緒に訴えかけられるのはどちらの要素なのか?
その最適バランスはお店によって違います。
入りやすい店にすることにウエイトを置くことで、入店が増える場合。
入りたくなる店にすることにウエイトを置くことで、入店が増える場合。
これは実は相反する要素。
最適なバランスは、お店やブランドによって違うんです。
そこを探るのは“シナリオ”が確立しているかどうか?
これにかかってきます。
まとめ
マスな商品をコンビニエンスな購買行動で提供する場合は、入りやすい店にする。
こだわりの商品をテーミングやライフスタイルで編集し、アトモスフィア(ムード、雰囲気)の演出で欲求を喚起させる様な場合は、入りたくなる店にする。
このように、内装・インテリアやVMDを成果のあるものにするためには、“シナリオ”が大切。
これが確立していると手が打てる。
お店が、お客様に支持されるエンターテイメントになる。
・・・・・そういうことです。
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